もののaware

飛騨にありて福島を思う

2020-01-01から1年間の記事一覧

地域の林業・木材産業に感謝

退職まであと5日。今日はたくさんの林業・木材産業関係者が集まる会議に出席してきた。お世話になった方々に一言挨拶したいと思っていたところだったのでちょうどよかった。 公務員を退職し、家業の建具屋を継ぐことを打ち明けると、ありがたいことにたくさ…

日本語の美しさを感じるDREAMS COME TRUEの曲3選

DREAMS COME TRUEは、ボーカルの吉田美和とベースの中村正人からなる、日本を代表するバンドだ。 代表曲の「未来予想図Ⅱ」や「何度でも」は、誰しも一度は耳にしたことがある人気曲。でもその他にも、素晴らしい曲がたくさんある。 特に僕は、吉田美和のいか…

4畳半で満たされた大学時代

退職まであと1週間。退去へ向けて部屋の掃除をしていると思い出すのが、大学時代に住んでいた学生寮だ。 その寮は9畳の2人部屋を、4畳半の1人部屋に改築したもので、設備は机、トイレ、ベッド、ガスヒーター、ミニキッチン、洗面台。風呂は共用。入寮した日…

被災地との適切な距離感

昨日に引き続き、相馬双葉地域を訪れた感想など。 避難指示解除で、ようやく復興のスタートラインに立てた相馬双葉地域。 被災地内で被害の大きさを比べてしまうのは不謹慎かもしれないが、自信と津波の被害に加え、原子力災害のあった地域は、正直言って被…

安全だから避難指示解除している

以下の文章は、避難指示が解除された地域の放射線量は十分安全な値である、ということを、僕の主観で書いたものである。 断っておくと、放射線の健康被害に関するデータの蓄積はまだまだ十分でなく、数少ない前例から推定するしかないのが現状である。 しか…

福島にいない、という機会損失

相馬・双葉地域を訪ねてみた。ほかにも、両親から福島の現状について聞いたりして、新たな発見があった。というか、発見が多すぎて少々混乱している。福島や原発に関する光と闇みたいなのもいろいろ分かったし。 とりあえず、自分の中で確信できたことは「福…

相双地域へ行ってみる

今日から福島に来ている。 短い期間ではあるが、より福島のことを知ってから、岐阜へ向かおうと思う。 福島県には59の市町村があるが、まだ行ったことがない市町村も多い。 自分の中で、「行ったことがある市町村」とは、次のいずれかに当てはまる市町村であ…

サラダボウルではなく、るつぼ

今の職場(行政)は、完全週休2日制。一般的にみれば、だれもが羨む好待遇だろう。 有休を取りやすい環境だったこともあって、僕も初めのうちは大いに利用し、満喫させてもらった。 しかし、入って2年目、3年目になり、大きな仕事が任せられるようになるにつれ…

コールドスリープできない

手塚治虫の漫画「ブラック・ジャック」に、不治の病を治すために、治療法が見つかるまでコールドスリープする話がある。 現代の医療で治せなくても、未来になら治療法があるかもしれない。ブラック・ジャックは、不治の病に侵されたカップルにコールドスリー…

公務員を辞めた後の手続き ~医療保険と公的年金~

退職・引っ越しへ向け、やらなくてはならないことはたくさんあるけれど、とりわけよく理解できていないのが、「医療保険」と「年金」だ。 この2つは、恥ずかしながら学生の頃は全く意識したことがなく、職場に入ってからもなんとなくの流れで来てしまった。…

夢の片棒を担ぐ

クラウドファンディングとは、インターネットを介して寄付を募る、資金調達方法のこと。自分には関係のない世界だと思っていたが、自分のすぐ近くでもクラウドファンディングによって理想を実現した人がいることに気づいた。 例えば、福島県白河市の「ゲスト…

四季あっての日本

伊藤園お~いお茶・俳句大賞が好きだ。お~いお茶のラベルにあるアレである。 心に浮かんだ景色や素直な思いを自由に表現するのがコンセプト。ちなみに季語はなくてもいい。平成とともに始まって、今年で第31回を迎える。 最近一番感動した句が、「水筒を…

大人も大人の背を見て育つ

退職まであと2週間とちょっと。そろそろ残った仕事を仕上げたいところだ。 退職直前の時期といえば、残っている有給休暇の消化に入っているのが一般的かもしれないが、私の場合そうはいかなかった。 自分の階級と給与に見合わない仕事ぶりで、のうのうと生…

9年目にして惑わず

東北を離れてから、例年この日は、福島を見捨てた後ろめたさ、何もできない罪悪感に苛まれてきた。 でも今は、福島に帰ると決めたから苦しくない。やることは分かっている。 福島で就職しなかったことを後悔するときもあった。でも今では、道を誤ったとは思…

トリチウム水は福島だけの問題か

とうとうタイムリミットが示された。 福島第一原子力発電所で発生する汚染水から放射性物質を取り除いた「処理水」を保管するタンクが、2022年には満杯になってしまうという(以下リンク先 ニュース)。 https://news.livedoor.com/article/detail/1794181…

各種メディアへ。311の報道量を減らさないで。

今年の3月11日は、新型コロナウイルスのせいで目立たずに終わってしまうのではと心配している。 すべての日本人が、震災と原発事故の影響を受けたわけではない。正直言って、他人事のように思っている人も少なくないと思う。日本人は皆今を生きるので精い…

大人になっても原体験

誰しも、自分の価値観や生き方を決定づけるような原体験を持っているだろう。 私にとっての原体験は、父の生まれ故郷の山で山菜採りをしてきたことだ。 当時、自分にとって山はとても広くて深くて、美しいというよりも怖いものだった。 山菜のポイントは、藪…

②ベクレル・シーベルト〜福島県民がイチから原発の勉強をしてみた〜

ある福島県民がイチから原発や放射能について勉強する回の第2弾。 第1弾はこちら↓ monono-aware.hatenablog.jp 今回は「ベクレル」と「シーベルト」だ。 原発事故を気に一気に知れ渡った言葉だろう。自分自身もそれまで聞いたこともなかった。しかし、「○○ベ…

自分ごととして捉える

福島県の未来について、肩書を忘れて楽しくディスカッションする「ふくしま学(楽)会」。そこで出会った印象的な人や言葉を紹介するシリーズの第4回。 第1回、2回、3回はこちら↓ monono-aware.hatenablog.jp monono-aware.hatenablog.jp monono-aware.haten…

①原発事故の経緯〜福島県民がイチから原発の勉強をしてみた〜

あらぬ風評を招かないよう、人前で原発事故の話をすることは避けてきたが、これからは自分が勉強する意味でも少しずつ言及していこうと思う。 正直に言って、自分自身もまだまだ原発事故や放射性物質について知らないことだらけだ。もし間違いがあったら遠慮…

311から変わらなかった人たち

原発事故後から思い続けてきたが、口に出すのをためらっていたことがある。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大とデマの拡散を見て、我慢ならないので言う。 日本には、理解することをやめた人間が沢山いて、悲しいことに日本はそういった「バカ」によっ…

自分のルーツが無くなる前に

引っ越しまであと1ヶ月。現住居の退去に向け、片付けや補修をしている。 特に面倒なのが、障子の張替えだ。障子のそばで洗濯物を干すせいで、ハンガーが障子紙を突き破っている。退去の前にまとめて直そうと思っていたが、そろそろ取り掛からなくてはならな…

長屋コミュニティ

「長屋」という作りに妙に憧れる。 長屋とは、通りに面した複数の入り口と部屋を持つ1つの長い建物のことで、特に江戸時代の町人の家のイメージとして広く知られている。 かつて多くの人々が長屋で暮らし、面する通りは人々の憩いの場であり、子どもたちの遊…

アートがサイエンスを動かす

福島の未来について、肩書を忘れて楽しくディスカッションしようという「ふくしま学(楽)会」。そこで出会った印象的な人や言葉をまとめるシリーズの第3段。 第1回、第2回はこちら↓ monono-aware.hatenablog.jp monono-aware.hatenablog.jp 今回はこちら 「…

情報の転売屋

職人を目指す理由の1つに、「情報の転売屋」になりたくないというのがある。 大学時代は、林学科で学んだ知識を活かして日本の林業、木材産業を行政面から助ける仕事=公務員になろうと思っていた(いや、正しくは安定した職に就きたいという思いだけが先行…

ストリートピアノが作る空間

NHKの「ドキュメント72時間」という番組。街角のスーパーや飲食店、イベントで72時間、そこに訪れる人々を撮影するドキュメンタリーだ。 今日の再放送で取り上げられたのは「神戸のストリートピアノ」。 神戸駅ビルの地下街に置かれたピアノを、かつてピアノ…

浜通りに原子力の学校を!

福島の未来について肩書を忘れて楽しくディスカッションしようという「ふくしま学(楽)会」。そこで出会った印象的な人たちと言葉をまとめるシリーズの第2回。 第1回はこちら↓ monono-aware.hatenablog.jp 「原発のある浜通りにこそ、原子力について学べる大…

Uターン先で見つける出会い

先日、福島の現状とこれからについて考えるシンポジウムに行ってみた。その名も「ふくしま学(楽)会」。 福島の未来について、原発事故の被害が大きかった双葉郡を会場に、出身も肩書も忘れて楽しくディスカッションしようというものだ。 参加者は60人位であ…

無知の恥

県外に住んでいると、福島出身と言うたびに、 「地震と原発で大変だったでしょう?」 と聞かれることが多い。 自分の実家は風評被害こそはあったものの、自宅を失ったり避難生活をするには至らなかったため、これまでは、 「いや、実家のあたりはそこまで大…

教育機会が人を呼ぶ

少子高齢化や過疎化の影響で、多くの高校が統廃合の波にさらされている。福島県もご多分に漏れず、県教育委員会の「県立高校改革前記実施計画」の中で、複数の高校の統廃合が計画されている。 これに関して、日頃から福島県移住を企てている私が思ったことが…