もののaware

飛騨にありて福島を思う

夢の片棒を担ぐ

クラウドファンディングとは、インターネットを介して寄付を募る、資金調達方法のこと。自分には関係のない世界だと思っていたが、自分のすぐ近くでもクラウドファンディングによって理想を実現した人がいることに気づいた。

 

例えば、福島県白河市の「ゲストハウス blanc(ブラン)」。

クラウドファンディングによって、白河市の旧市街地エリアに誕生したゲストハウスだ。

 

僕は石川郡から白河の高校に通い、たくさんの友達もできた。しかし、通学手段は片道50分のバスのみで、最終の便が18時だったため、部活も勉強も早めに切り上げなくてはならなかった。

また、高校卒業後もありがたいことに友人関係は続き、みんなの集まれる白河で飲もう!となることもあったのだが、車で駆けつけるしかない自分は飲酒することが出来ず、一泊しようにもビジネスホテルはそこそこ高い。街中で車中泊なんてするわけにはいかないし、冬であれば凍え死んでしまう。

1畳だけでもいいから、安心して横になれる場所があればなあ・・・いつもそう思っていた。

 

そんな時に見つけたのが、クラウドファンディングで白河にゲストハウスを作るプロジェクトだった。白河を出ていった若者が、いつでも、しかも外から新しい人間を連れて戻ってこれる場所というコンセプトに感動し、微力ながら投資させていただいた。返礼品の矢祭町のコーヒーはとても美味しかった。

 

ゲストハウスつくりは、高校の先輩が中心となって、高校生や大学生、白河にゆかりのある社会人、地域の企業の協力で完成、2020年2月についにオープンした。これで白河で友達に会える。大学の友人も連れてこれる。大げさかもしれないが、自分の夢が叶った瞬間だった。

 

クラウドファンディングとは、みんなの夢をみんなで叶える手段だ。

白河にゲストハウスがあってほしいというのは、僕だけでなく地域の人々みんなの夢だった。自分ひとりの力では成し得ない夢も、同じ夢を抱いている人の力が集まって、十分手の届く距離に近づける。

 

片棒を担ぐ、と言う表現は、たいてい悪事を働く場合に使われることが多いが、プラスの意味で使ったっていいだろう。

自分の思い描く未来は、誰かの夢かもしれない。いつか自分がクラウドファンディングをやったとして、それが成功するかどうかわからないが、夢を共有できる人と出会えるだけでも幸せだ。

 

たくさんの人と、夢の片棒を担ぎ合いたい。