もののaware

飛騨にありて福島を思う

2021-01-01から1年間の記事一覧

伝統と古道具と合理性

最近、日本の伝統や古道具について考えることが増えた。 伝統が消える理由の一つが、余裕がなくなったからだと思っていて、裏を返せば伝統を継承していったり楽しんだりすることには相当のエネルギーが必要なのだろうと感じる。成長のさなかにいると、余裕を…

地域再生シンポジウム2021 in 飛騨 個人メモ

地域再生シンポジウム2021 in 飛騨 広葉樹活用による地域再生~いま地域に求められること~ シンポジウムは都竹市長の、「地域おこしとは地域の宝探し」の言葉に始まった。 1.基調講演「持続可能な広葉樹林業の経済性を考える~針葉樹と同じ土俵で考えてみ…

ふたりのDivaと「火の中、水の中」

日本語においては、困難に立ち向かうとき、「たとえ火の中水の中だろうと・・・」といった言い回しが使われる。火と水はいつの時代も恐怖や困難の象徴だったのだろう。 そしてこの表現は、どうやら日本だけのものではないようだ。 例えば英語での表現方法の1…

白河ラーメンこそラーメン

ここ高山市には「高山ラーメン」というものが存在する。しょうゆベースのスープに低加水の縮れ細麺を組み合わせたあっさりラーメンだ。 今日も仕事終わりに、高山ラーメンを食べに行った時のこと。休日はどこの高山ラーメン屋も観光客でごった返すが、僕の行…

ラジオパーソナリティーのアイドル化

何かにつけて作業用BGMとして音楽やラジオを聴く人は多い。僕もラジオを聴きながらモノを作ったりする。 ここ半年くらいは、常にFM AICHIの平日番組を聴きながら過ごしている。いわゆるTOKYO FMから配信される全国番組ではなく、FM AICHIの独自番組だ。朝6時…

ハチドリのひとしずく

2か月ほど前の話だが、父がワクチン接種をした後、頭痛と嘔吐により病院で点滴を受ける羽目になった。ここ数年病院にお世話になる機会が増えてきてたこともあり、寄る年波には勝てないのか・・・といった具合である。 しかしまあ、昔から遊びまわることもせ…

真珠を売る高島屋

家にテレビがないので、テレビCMを見る機会がほとんどない。だからたまに実家に帰った時にテレビを見ると、今はこういうCMやってるんだ~と、大げさだがタイムスリップしたような気分になる。 時代が進むにつれて、CMは淘汰されていく。かつて福島県民にはお…

虫供養

今年の夏は雨続きで、屋外へと出る機会が少なかった。夏は山・川・海で焼かれたい僕としては非常に不満の残る夏だった。 本格的な秋を迎える前に、貴重な晴れ間を見つけて外へ出たい。そこで急遽、今日は御嶽山の飛騨側の頂上へ行ってきた。 山小屋のテラス…

犬も歩けば

最近、僕の高校の友人と大学の友人同士が、ひょんなことから知り合いになることが増えた。僕が知らないうちに共通の友人になっているのである。 例えば高校の友達と大学の後輩が、みなかみのアウトドア関係で会ったことがあるとか、高校の後輩と大学の後輩が…

「きぼうのとり」を読んで

福島県天栄村を拠点にする、家具職人・お絵描き好き・編集者(Facebook原文まま)の3人からなるユニット「みず文庫」さんとお話しする機会がありました。福島県白河市の南湖公園にオープンしたアトリエもさることながら、ご本人もとても素敵な方々でした。 …

世代後退

ジムニーJA11 ワイルドウインドリミテッド 先日、車を乗り換えました。就職の際に慌てて買ったホンダ・ライフから、ジムニーへ。より古い車へ乗り換えるという世代「後退」です。 このジムニー、JA11という今ではマニアに人気の型式で、僕が生まれる前から母…

光南雪辱!聖光学院敗れる

福島県民にとって、少しばかりびっくりするニュースが飛び込んできました。 高校野球の夏の甲子園出場をかけた福島県大会で、2007年から13連覇中だった聖光学院が敗れました。もし14大会連続甲子園出場となれば歴代最多タイ記録でした。 聖光学院高校野球部…

災害と選択の繰り返し

本を読んでいて印象に残った内容をご紹介。 仮想空間シフト 作者:尾原 和啓,山口 周 エムディエヌコーポレーション(MdN) Amazon 1973年、アイスランド沖のヘイマエイ島という島で火山の噴火が起きました。幸い住民のほとんどが無事に救出されましたが、住…

安定したい自然と、不安定たらしめる人間

長引く梅雨と土砂災害。被害に遭われた方へお見舞い申し上げます。 以前お会いした造園の先生の言葉を思い出します。 「土砂崩れは、自然が自らの不安定さを解消しようとする現象。崩れることで安定した状態になる。」 土砂崩れは自然現象の一つにしかすぎず…

クワガタ来訪記

工房に一人の訪問客。ミヤマクワガタのオスである。 実物を見るのは子供のころ以来だったかもしれない。それでも東部の特徴的な突起を見て、一目でミヤマクワガタだと分かったくらいだから、幼少期の自然体験は侮れない。 あの頃はよく、親に連れられて木を…

「雨にキッスの花束を」梅雨が楽しくなる名曲

飛騨高山では久しぶりに雨が降り出し、そういえば梅雨の真っただ中だったと思い出しました。 しかし梅雨で検索をかけると、なんと関東甲信以北はまだ梅雨入りしていないとか。いくら何でも遅くない?こんな年もあるのですね。 雨が降ると個人的には気が滅入…

紅一点

先日、渓流釣りに出掛けた際の一枚。 うっそうとしたスギ林の中で、緑に囲まれたモミジを発見。 不思議なことに、このモミジにだけスポットライトのように光が当たっていました。 これを見て「紅一点」という言葉が思い浮かびました。調べてみると、もとは漢…

Just Rock'n Roll!

近所のスーパーに、「父の日」と書かれたのぼりが立つようになってきました。そうか父の日が近いのか、で、いつだっけ? 恥ずかしながら僕は、父の日とか母の日、敬老の日といった記念日に何かをしたことがありません。子供ながらに、いつもありがとう、の一…

いくつになっても遠足前夜は眠れない

先々週に引き続き、富山湾へサビキ釣り。 天気は悪くありませんでしたが、回遊が無かったのか僕が下手くそなだけなのか、早々に初めて見る魚が少しばかり釣れただけで後はからっきしでした。残念! それでもまた新しい魚を釣ることが出来たのは嬉しかったの…

釣りや狩猟を「ゲーム」と捉えることへの違和感

今日は休日だったので、富山湾で海釣りデビューしてきました。 飛騨高山から下道で2時間。意外と近い日本海。釣果はアジ(たぶん)2匹。最近は川釣りの釣果がさっぱりだったので、嬉しい結果! 持ち帰って、なめろうにして美味しくいただきました(薬味を入れす…

行きつく場所

福島県石川町 野木沢地区にある「芭蕉苑」 昔見た、アニメ「クレヨンしんちゃん」のこんなエピソードを覚えています。 しんのすけとひろしは、街にオープンしたばかりのラーメン店に行きます。そこは行列の絶えない名店で、その日も長時間並ぶことになりまし…

木のモノづくりと広葉樹資源の行方

昨年のことではあるが、製品の材料である幅ハギ板(幅の狭い材を何枚か並べて接着して、大きな1枚の板にしたもの)の中身が変わってきたと感じた。今までは3枚ハギから4枚ハギだったものが、4枚ハギから5枚ハギ、果ては6枚ハギまで登場してきたのだ。加えて…

スツールを贈る

かねてから製作していたスツールが完成しました。 タイトルは「荷物置き付きハイスツール」。材種はナラ、塗装は現地の雰囲気に合うようブラウントナーをチョイス、座は自然素材の帆布で仕上げました。ネイビーとブラウンの組み合わせが気に入ってます。 構…

2021年度の抱負的なもの

今日から2021年度が始まりました。みなさんそれぞれ、こんな1年にしたいというビジョンがあることだろうと思います。 僕自身はこの4月から生活スタイルを少し変えてみることにしました。具体的には、生活における木工の比率をすこーし減らし、それ以外の比率…

大学生向け、シェアハウスのススメ。

今日くらいから国公立大学の前期入試合格発表が始まりましたね。私事ですが、高3の今頃、パソコンの前で30分くらい前から待機したものの、一覧に自分の番号が無くショックを受けたのを覚えています。まあ前期で受けた学校はどうしても行きたかったわけじゃ…

なにもしない時間

先週の福島県沖地震、実家のある石川町はそれほど被害が無かったようです。しかし県内では人的被害や土砂災害が確認されました。 震災・原発事故から10年の節目を迎えるこのタイミングでの最大震度6強地震に、何かを感じてしまいます。コロナ禍の今、もし東…

木の贈り物

箸を作っています。工房を卒業していく先輩へのプレゼントです。 箱とかスツールとか、機械加工がメインのものは作る機会が多いけれど、一から手で仕上げていくカトラリー系は作ったことあまり無かったなと思います。 やり方はシンプル。傾斜の付いた溝を彫…

心を温めるソウルフルな音楽3選

年が明けてからの数週間、自分の中でやってみたいこと、面白そうなことが次々と出てきて、しかしそれを実現する時間的・精神的余裕が無く、モヤモヤし続けております…。一旦立ち止まって、頭の中をリセットして、整理する時間が欲しい、皆さんはそんな風に思…

農学系学生の進路と第1次産業

先日、とあるシンポジウムで見かけた統計データが印象に残っている。全国の農学系大学生の進路先内訳というものだ。 改めて最新の学校基本調査(令和2年度)を見てみると、その内訳は以下のようになっていた。 何よりも印象に残っているのが、第1次産業であ…

湖の底から

2021年1月1日の朝、日本海側は大雪に見舞われる一方で、地元である福島県石川町は冬晴れだった。空気の清々しさのあまり、用足しに出かけるついでに少し車を走らせてみたくなった。 石川町を流れる北須川。春には川沿いに桜が咲き誇る素晴らしい川で、この上…