もののaware

飛騨にありて福島を思う

地域の林業・木材産業に感謝

退職まであと5日。今日はたくさんの林業・木材産業関係者が集まる会議に出席してきた。お世話になった方々に一言挨拶したいと思っていたところだったのでちょうどよかった。

 

公務員を退職し、家業の建具屋を継ぐことを打ち明けると、ありがたいことにたくさんの労いの言葉を頂いた。

 

かつては林業もきつい・汚い・危険の3K産業と呼ばれることもあっただろうか。しかし、この地域の事業体は皆輝いている。林野庁がスマート林業を掲げる前から、林業という業界の改革に取り組んできているほか、レーザーセンシングやIoTを駆使した林業経営を実践し始めている。

 

発注者と受注者という間柄であるがゆえに、公務員は事業体に対し高圧的になりがちだ。そういうシーンを僕はたくさん見てきた。しかし、僕は事業体の皆さんにそんな態度を取ることはできなかったし、むしろ僕自身がたくさんの事を学ばせていただけたことに本当に感謝している。

 

先進的な考えを持っている事業体の皆さんには、建具という世界にも理解を示して頂けた。安定した公務員を辞めて建具屋を始めることは、一般的には危うい選択と取られるだろう。しかし、皆さん口を揃えておっしゃったのは、建具、木工という世界は、これからどんどん面白くなっていくということだった。

 

僕自身も、建具の需要は底を脱して上り調子になっていくと思っているし、その技術は家具や古民家再生など、色んな場面で役に立つと確信している。

 

同じ木の世界にいる以上、またどこかで関わり会えると思っている。ある森林組合の課長さんは、なんと石川郡や東白川郡に知り合いがいて、いつか行こうと思っていたという。中部地方において「水郡線」という言葉を聞くことになるとは思わなかった。

 

公務員を辞め、一般人になってから、もう一度この地の林業・木材産業と関わってみようか。世界は近くて、人の広がりは無限だ。