もののaware

飛騨にありて福島を思う

白河ラーメンこそラーメン

ここ高山市には「高山ラーメン」というものが存在する。しょうゆベースのスープに低加水の縮れ細麺を組み合わせたあっさりラーメンだ。

今日も仕事終わりに、高山ラーメンを食べに行った時のこと。休日はどこの高山ラーメン屋も観光客でごった返すが、僕の行きつけの店は店主一人で切り盛りしていて、ねらい目である。

18時過ぎに入って注文したしばらく後、別のお客さんが入ってきたところで「ごめん今日は売り切れです」と店主。そこで、同じような体験を昔したなと思い出した。

 

僕は生まれてこの方、福島県白河地方の「白河ラーメン」で育ってきた。しょうゆベースなのは高山ラーメンと一緒だが、麺は多加水で中太の縮れ麺、しかも安くてボリューム満点(最近の新興白河ラーメン屋はお高い傾向にあるが)なのが特徴。福岡県民がラーメンといえば豚骨ラーメンなのと同じで、僕にとってラーメンといえば白河ラーメンだ。

(ちなみに福島なら喜多方ラーメンの方が知名度があるが、白河ラーメンとは似て非なるものである。見た目は同じだが、甘いのが喜多方、塩辛いのが白河である。)

小さい頃は月に1回、白河へ髪を切りに行った帰りの夕食は、決まって白河ラーメンだった。そして行く店は大体決まっていて、「あずま食堂」か「菊忠」の2択。思い出したのは、「あずま食堂」の思い出だ。

あずま食堂は白河ラーメンの店の中でも1、2を争う人気店で、駐車場にいっぱいの車と行列は見慣れた風景だ。しょうゆラーメンはもちろんおいしいのだが、僕が頼むのは「赤味噌タンメン」だった。

 

その日の夜も、家族4人であずま食堂を訪れた。しかし父親が店主と話したところ、スープが4人分無いと言われたようで、その日はあきらめて「菊忠」に入った。

菊忠は現存する白河ラーメン屋の中で2番目に古い、歴史あるラーメン屋だ。こちらはすんなり入れて、おいしく味噌ラーメンをいただいた(気がする)。

このころから、僕の中で「あずま食堂」は人気店でなかなか入れない店、菊忠には大変失礼な話だが、菊忠はいつでも入れる安心感のある店というイメージが出来上がっていった。

ちなみに大人になってから気づいたのだが、菊忠も大変な人気店で、最近は店舗をリニューアルし昔以上に老若男女に人気のようである。レジ横のペコちゃんキャンディーをもらって帰ったのが懐かしい思い出である。

 

最近は福島に帰るたびに、2件以上は白河ラーメン屋をめぐっている気がする。どこも期待を裏切らない美味しさであり、やっぱりラーメンといえばこれだよなと思わせてくれる。

できれば家族と一緒に白河ラーメンを食べに行きたいのだが、ここ2年はコロナウイルスの影響でなかなか外出できなかった。そこでお世話になり始めたのが、西郷村の「みもり製麺」だ。

みもり製麺は麺の卸し販売を行っているほか、家庭向けにお持ち帰り白河ラーメンも販売している。これがとても美味しく、高山に戻るときに買っていくようになった。

 

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みもり製麺のラーメン。自家製のチャーシューとメンマもおいしい。

住宅街にあって、ペンギンのキャラクターがマスコット。母曰く「アマビエ様みたいだね」と好評。近隣にお住まいの諸兄諸姉はぜひ訪れてみてはいかがだろう。

 

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アマビエ(?)ペンギン