もののaware

飛騨にありて福島を思う

2020-01-01から1年間の記事一覧

年末は有るようで無い

29日から福島に帰ってきています。地元は毎日が楽しいですね、学生時代の先輩・後輩が面白いことをやっているので、飽きずに過ごせます。時間が足りないくらいです。 そして何より面白いのが、実家の機械を使って木工ができることです。帰ってきて驚いたこと…

ノマド

良質な木を求め、山から山へと渡り歩いて生活してきた木地師という人々は、いわば森の遊牧民(=ノマド)だった。ノマドと言えば、近年は「ノマドワーカー」と言う言葉をよく聞くようになった。「ノマドワーカー」は、時間や場所に捕らわれず働く人々のことを指…

蔵出し広葉樹@ヒダクマ はプライスレス!

今日は、飛騨市古川町にある、「株式会社飛騨の森でクマは踊る」通称「ヒダクマ」さんで開催されているイベント、蔵出し広葉樹へ行ってきた。 蔵出し広葉樹は、普段市場に出回らないような規格外の木材や端材、珍しい形の丸太や枝などを、1g1円の量り売りで…

年末

12月になり、暖房器具なしでは過ごせなくなってきた。今年は雪が多いと、周りの人が口を揃えて言うが、僕も何となくそう思っている。今年はしっかりとした梅雨があったし、ここ数年の異常な暑さが和らいだ夏を過ごせた。根拠らしい根拠はないが、きっとこの…

南会津の木地師・後編

お椀やお盆の材料となる良質な木を求め、山から山へと移り住んだ流浪の民、木地師について。今回は後編。いよいよ福島県南会津にいた木地師に迫る。 (前編はこちら↓) monono-aware.hatenablog.jp さて、南会津の木地師と銘打ってはいるが、木地師誕生の地・…

南会津の木地師・前編

木地師というテーマを入り口にした記事を書いたが、その後木地師についてより深く知る機会があったので、備忘録としてまとめてみようと思う。 monono-aware.hatenablog.jp 改めて木地師とは・・・ 手挽き轆轤(てびきろくろ)を用いて、生木からお椀やお盆な…

ウラヤマ

先日、秘密基地と題した記事を書いたが、僕が通った児童館の裏手は、中々にワクワクする場所だった。 小高い丘になっていて、木々のトンネルや根っこの階段を手足駆使して登ると、そこには大きな石碑の鎮座する小さな広場があった。周囲をぐるりと大きな雑木…

彦左衛門の森

かつて高山市清見町(旧清見村)の山にも、木地師と呼ばれる、ろくろを使ってお椀やお盆などを作る人々がいた。彼らは山に住み、作った木工品を里の人々と物々交換することで生活していた。 ある日、木地師の一家の元に、彦右衛門という落ち人が現れた。負傷…

秘密基地

ご縁があって、岐阜市の木育施設「ぎふ木遊館」と、岐阜県立森林文化アカデミーの森林総合教育センター「morinos」に行く機会を頂いた。とても有意義な1日を過ごすことが出来た。 ぎふ木遊館は、今年7月にオープンしたばかりの木育施設。岐阜県産材をふんだ…

オトナの環境教育

小さい頃、実家の工場の鉋屑に埋もれて遊んだものだ。鉋屑の山に飛び込めば、いい香りがして暖かい。当時飼っていた犬と一緒に暖まっていたのを思い出す。今思えば、あんなに長くて、幅がある、大量の鉋屑に囲まれた環境は貴重なものだったとよく分かる。 先…

ケミカルでない味

ブドウ系の缶チューハイは何であんなにケミカルな味がするのだろうと、いつも不思議に思っている。どの商品も、どこか苦いような薬品味を感じてしまう。同じメーカーのレモンやグレープフルーツ、キウイ、パイナップルなど、ほかのフルーツ味は美味しいのに…

薬師岳

北アルプスの薬師岳(2,926m)へ、大学時代の後輩と登頂。薬師岳は、6年前に大学のサークル活動で登ろうとして悪天候で断念した山。今回はそのリベンジ的な登山だった。 当時の山行を思い返すと、パーティーメンバーには辛い思いをさせてしまったと反省する…

トンネル

僕の毎日の通勤路(通学路?)は、車で片道20分。その7割近くがトンネルだ。しかも高速道路の無料区間と自動車専用道を走っているため、たまに見える景色も味気ない。毎日毎日気が滅入る時間になってしまっている。 そんなトンネル通勤路が、今週いっぱいは…

自分のテーマ「木工×αでふくしまと自分の未来を見つめる」を検証する。

木工を始めて半年が経った。これまでの時間は濃密かつあっという間であり、進路選択に後悔は微塵もない。 この節目を期に、改めて自分のテーマである「木工×αでふくしまと自分の未来を見つめる」について考えてみたい。 ①「木工×α」について 木工だけでなく…

焼岳

本当に久しぶりの登山。実に1年ぶり。北アルプスのお膝元といえる飛騨高山にいながら。 こんなに久しぶりになってしまったのは、趣味の時間を減らし別のことに注力している生活スタイルのせいだが、まあ登山なしでは僕の人生はつまらないものになってしまう…

不意打ちの魔力

ラジオを聴いていると、稀に自分の好みにどストライクの音楽と運命的な出会いをすることがある。 一方で、音楽配信サービスの「あなたにおすすめのプレイリスト」を聴いていても、期待したほどいい曲を見つけられはしない。この違いはいったい何なのだろうか…

福島県人

最近、自分はどこの人間なのかと思う瞬間がある。 高校まで福島で過ごし、大学で岩手、新卒で長野、そして今年から岐阜。色んな所に住んできた。その中で、やっぱり自分は福島の人間なんだと思うわけだが、果たして今の自分は福島の人間なのか? 自分が福島…

木工は手段か目的か

飛騨高山で木工を始めて5か月が経とうとしている。ここに来てから、様々な出会いがあった。それは人との出会いであり、新たな価値観との出会いだったり。そんな様々な出会いの中で、少しずつ、自分自身を見つめなおしている。 最近よく考えるのは、自分が2年…

漫画「エデンの東北」から感じる、「懐かしさ」の正体

とある漫画をご紹介したい。深谷かほるさんの「エデンの東北」という作品だ。 1970年代の東北の田舎町を舞台に、そこで暮らす4人家族の笑いあり涙ありの日常を描いた、1話完結の物語。はっきりと明言はされてはいないが、舞台は福島県石川町をモデルにしてい…

夏の終わり

長い長い梅雨が明けた。ここ数年カラ梅雨続きだったのもあって、今年の初夏は洗濯物が乾かず苦労させられた。それでも、夜な夜な近所のコインランドリーに100円握りしめて乾燥だけしに行くのは、嫌いじゃなかった。こういう季節もあるものだ。 さて、梅雨が…

森が好きじゃない林業行政マンたち

森林ジャーナリストの田中淳夫氏のブログはよく拝見しているところであるが、2020年8月3日付の記事が、思わず膝を叩く内容だったので、紹介させていただきつつ、僕の思いを吐露しよう。 タイトルは「林野庁は教育官庁になる、か?」。内容は、林野庁と森林環…

センスは無い、けれども辞めない

モノづくりの世界に入って4か月が経った。あっという間に8月になってしまったという印象だ。 この4か月間で、僕は何ができるようになっただろうか。 ・工房で扱う樹種なら大抵見れば判別できるようになった。 ・鑿と鉋の仕込みが出来るようになった。 ・森林…

クヌギを蹴る

木工は常に屋内作業。毎日17時に工房での作業が終わると、ひとまず屋外へ空気を吸いに出る。ここ最近はバケツをひっくり返したような雨が続いていたが、今週は少し落ち着いてきた様子。梅雨明けも近いかと期待が膨らむ。 先日、作業終わりに外に出ると、ちょ…

ワークとライフ

前職時代に思ったこと。それは、完全週休2日制の生き方は自分には合わないということ。 週末になっても、頭の中は常に仕事のことでいっぱいだった。多くの人が日曜の夕方に憂鬱さを覚えることだろうが、僕は土曜の夜から既に憂鬱だった。 こんなにも仕事の…

「昨日スーパー行ったんだっけ」~伝わらない福島弁~

最近、飛騨高山にいながら福島県人と知り合う機会があり、とても嬉しかった。 ただ、その人に言われたのだが、どうやら僕はあまり福島訛りが無いらしい。思えば大学時代を含めれば福島を離れて9年目になる。福島訛りが抜けるどころか、引っ越し先の方言が身…

地域おこし協力隊という選択肢

木工で地域おこしができれば、こんなに良いことは無いと常々思っている。 小さいころの夢は、地元石川町の商店街の活性化だった。小学生のころに知った「シャッター通り」という言葉は衝撃だった。自分の生まれ育った地域が寂れていくのは悲しかった。 一方…

充電

久々に終業後、すぐに帰宅。道具の仕込みに課題の製作、やることはたくさんあるけれども、今日は充電の夜にすることにした。 まずは、崩れかけていた食生活を改善するために、庭のキュウリとナスを収穫し、漬物と揚げびたしを作った。と言っても先週も同じも…

建具屋親子の共通言語

小さい頃は実家の工場(こうば)で遊んでいた。横切り機や手押し鉋盤の周りを駆けずり回り、オイルやグリースの差し口を見つけてははしゃいでいた。角ノミ盤で木っ端に穴を空けてもいた。いつも父が近くで見守っていたわけではなく、今思えばけっこう危険なこ…

感謝の正拳突き…?

木工で失敗する原因はたくさんある。気のゆるみ、慢心、過度の緊張など・・・ ここ最近で言えば、ノミ砥ぎに失敗した。 ノミは「裏押し」という作業を行ってから、「鎬(しのぎ)の砥ぎ」に入る。この裏押しという工程が、自分の感覚で割と簡単に、綺麗にでき…

夏の夕日と漬物

5月上旬に植えた野菜のうち、キュウリとナスが収穫できるようになった。 キュウリは採るのが遅かった… 生まれも育ちの田舎のくせして野菜を育てたことがほとんど無かった自分でも、今のところ病虫害にかかることもなく、無農薬で何とかできてしまった。釣り…