もののaware

飛騨にありて福島を思う

311から変わらなかった人たち

原発事故後から思い続けてきたが、口に出すのをためらっていたことがある。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大とデマの拡散を見て、我慢ならないので言う。

 

日本には、理解することをやめた人間が沢山いて、悲しいことに日本はそういった「バカ」によって支えられている。

 

原発事故以来、沢山の人たちが、目に見えない放射能とそこから広がる風評被害に立ち向かってきた。

風評被害が出るということは、それくらい沢山の人が放射能と福島について知ることを諦めたということ。裏を返せば、消費の世界は、そういった人間により循環していたということだ。

 

人は、目に見えなかったり、正しく理解しきれていないものを過剰に恐れる。

正しく理解し、正しく恐れる。事故後9年間で嫌というほど聞いたはずだ。

風評被害との戦いとは、放射能を知る、福島の今を理解することをやめた人間との戦いなのだ。

 

デマを流すバカにデマに踊らされるバカ。

新型コロナウイルスについて、最低限の知識もなければ自分で勉強する気もない人間。過剰な報道と情報の乱立で世間を混乱させるメディア。そして本当に必要としている人にはマスクは届かない現実。しまいにはトイレットペーパーまで慌てて買い占める始末。

 

ここまで来ると日本人の情報リテラシーを疑う。日本は本当に先進国か?

 

童話『ブレーメンの音楽隊』では、盗賊たちが動物たちの姿を化け物と勘違いして逃げ出した。

 

日本人はまさに、目先のインパクトに踊らされて一目散に逃げ出したこの盗賊たちと同じだ。冷静に見極めれば、それが馬、犬、猫、ニワトリだと気付くことができるのに。

 

繰り返しになるが、悲しいことに今の日本はそういう人間を中心とした社会・福祉・経済が成り立っている。

 

東日本大震災原発事故から、日本は何も変わらなかったのか。だとすれば、同じような騒動は今後何度も起こるだろう。

 

いい加減、過去から学ぼう日本人。