もののaware

飛騨にありて福島を思う

①原発事故の経緯〜福島県民がイチから原発の勉強をしてみた〜

あらぬ風評を招かないよう、人前で原発事故の話をすることは避けてきたが、これからは自分が勉強する意味でも少しずつ言及していこうと思う。

正直に言って、自分自身もまだまだ原発事故や放射性物質について知らないことだらけだ。もし間違いがあったら遠慮なく指摘していただきたい。

 

 

まずはじめに、原発事故に至った経緯を勉強してみた。

原子力発電は、簡単に言うと次のような仕組みになっている。

 

①核燃料を固めた棒(燃料棒)が、常に水の中に沈んでいて、核分裂のエネルギーでこの水が沸騰する。

②発生した水蒸気でタービンが回って発電。

③この水蒸気は回収されて、再び燃料棒の元に戻る(①へ戻る)。

 

本当にざっくり言うと、刀鍛冶がハンマーで鍛えている、真っ赤に熱された鉄の塊、これが燃料棒。

で、これを水の中に浸すとジュワ〜っとなって湯気が出る。湯気と水蒸気は違うものだが、この湯気(水蒸気)でタービンを回して発電しているというわけだ。

(たぶんもっといい例えがあると思う)

 

さて、ここで地震が発生し、原発自体を動かしていた電源が供給されなくなり、①②③すべてのプロセスが停止した。

しかし、有事の場合に備え、燃料棒の核分裂は安全装置で止まる仕組みになっていて、合わせて非常用電源が発動して燃料を「冷却」する。

 

この「冷却」がめちゃくちゃ大事で、なぜなら原子炉が停止してから5時間経っても、数分で水1トンを蒸発させるほどの熱が発し続けられるからだ。予熱が半端でないのである。この予熱がいかに危ないかは後述する。

 

今回も、設計通り冷却設備は機能した。津波が来るまでは…。

 

最高6.1mの津波を想定した防潮堤に対し、その倍以上の13mの津波が来たのが想定外だったという。

 

これにより設備が浸水、破損。非常用電源が機能しなくなり、格納容器が冷却できなくなった。

 

するとどうなるか。前述の通り、水1トンを数分で蒸発させる熱が発生し続けているのだから、燃料棒の沈んでいる水槽はどんどん蒸発し、格納容器内は水蒸気でいっぱいになる。そしてついには燃料棒が水面から顔を出す。

 

露出した燃料棒は水蒸気と化学反応を起こし、水素が発生する。この水素が格納容器の隙間から漏れ出し、最後の砦の原子炉建屋内に充満していく。これに、何かの拍子に引火、水素爆発が発生。建屋が破壊され、この時に放射性物質が放出されたと言われている。

 

自分の中でもイマイチまとまらなかった原発事故の流れが、少し理解できた気がする。

 

他にも、汚染水やシーベルト、ベクレル、避難について勉強していくことにする。

 

あと8日で、震災から9年だ。