もののaware

飛騨にありて福島を思う

大人も大人の背を見て育つ

退職まであと2週間とちょっと。そろそろ残った仕事を仕上げたいところだ。

 

退職直前の時期といえば、残っている有給休暇の消化に入っているのが一般的かもしれないが、私の場合そうはいかなかった。

 

自分の階級と給与に見合わない仕事ぶりで、のうのうと生きる人間はどの世界にもいるものだ(特に行政の世界)。そして、その尻拭いをさせられる若手職員もまた・・・。

 

別に明日から有給を使って3月31日まで出勤しないことだってできるが、それで迷惑を被る人があまりにも多すぎる。給料泥棒の上司がどうなっても知ったことではないが、地域に迷惑をかけることだけはできない。

 

現在、地域の林業・木材産業の新しい循環システムの構築を目指している。そのために、行政としてできる限りの準備をしてきた。これは4年間の仕事の集大成であり、これを投げ出して退職したら、一生もやもやが残るだろう。

 

仕事の行く末を見届けられないのは残念だが、すぐに結果が出ないのが林業の世界だ。植えた木を丸太として収穫できるまでには約30年程度はかかる。何世代にもまたがる長いスパンで営むのが林業だ。だから、気長に待つ。

 

そうは言っても、今の職場には、業績に応じた適切な報酬を期待したかったのが本音だ。自分の仕事を部下に押し付けておきながら、若手の2倍以上の給与を手にしている上司がいる中で、若手職員はモチベーションを維持できようか。

 

僕が職人を目指す理由は、今の仕事が嫌というマイナスな理由ではなく、「木工×α」で自分の生き方、福島の未来を見つめなおしたいという、まぎれもなくプラスな理由によるものだ。

それでも、今の職場環境が自分の背中を押した感は否めない。

 

年功序列型の給与体系は、2種類の人間を生み出した。

安定した報酬を見込めることでやりがいを持って働く人間と、安定した報酬をいいことに現状維持以上のことをしない人間。一体どちらが多いか。

年功序列型を無くせとは言わない。ただ、実直な仕事に適切な報酬を与える仕組みをもっとミックスしてほしい。

 

子供だけじゃなく大人だって、尊敬できる人間の背中を見て生きていきたいのだ。