もののaware

飛騨にありて福島を思う

木工は手段か目的か

飛騨高山で木工を始めて5か月が経とうとしている。ここに来てから、様々な出会いがあった。それは人との出会いであり、新たな価値観との出会いだったり。そんな様々な出会いの中で、少しずつ、自分自身を見つめなおしている。

 

最近よく考えるのは、自分が2年後、3年後にどんなポジションを目指すのかということ。一般的に木工を修めた人が選ぶ進路の多くは、メーカーや家具工房への就職か、独立して木工作家になるかの2択だろう。しかし、その前に、木工を目的とするか手段とするかという2択からスタートする必要があるだろう。

メーカー等への就職と独立して木工作家、家具職人になるという選択肢は、とにかく手を動かしてモノを作りたいという、「木工を目的とする」度合いの強い選択肢だ。

一方で、木工を手段とする選択肢も存在すると思う。僕は自然が好きで、特に森林・林業・木材産業に興味があって今に至る。

そして、木工を始めた理由は、父の歩んだ道を自分の歩いてみたいという思い、モノの一つも作れないで木の良さ、自然の良さを誰かに伝えることは出来ないだろうという思い、そしてモノづくりを活かして地元・福島のために何かをしたいという思いからだ(極端に言ってしまえば、モノを作ってみたくて仕方ない!という思いはそれほど強くないのかもしれない・・・)。

 

きっと、僕が目指すポジションは、「モノを作れる〇〇」みたいな感じなのだろう。もちろん、モノを作れることを強みにするなら、中途半端な技術ではなく、人前に出しても恥ずかしくないものを作れないとお話にならないので、まずはそこをしっかりと学びたい。

 

同時に、手段としての木工を活かすために、新しい世界も覗いていく。飛騨高山に来てからというもの、いかに自分が無知で世間知らずだったかというのを思い知らされる日々を送っている。でも、自分の中で0から1になる瞬間は、すごく体力が必要な変化なのだけれど、その分成長できていると実感できる。

 

9月、10月は工房での製作が忙しくなる。気力・体力ともに切らさずに、集中して乗り切っていこう。

 

 

 

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