もののaware

飛騨にありて福島を思う

年末

12月になり、暖房器具なしでは過ごせなくなってきた。今年は雪が多いと、周りの人が口を揃えて言うが、僕も何となくそう思っている。今年はしっかりとした梅雨があったし、ここ数年の異常な暑さが和らいだ夏を過ごせた。根拠らしい根拠はないが、きっとこの冬は平年並みには雪が降って、久しぶりに四季らしい四季を過ごせるのではないかと勝手に思っている。

 

遠くの山も、だんだんと天辺が白くなってきた。燃えるように美しかった紅葉の山々も、すっかり葉を落とした。樹幹があらわになった樹々を見ると、改めて木工品の材料は山から来るんだなと思い知る。

 

木を使って何かを作るからには、森のことを理解しておきたい。森を理解せずに木工をするならば、それはもう木でモノづくりをする必要は無いと思っている。

僕自身、大学で林学を学んだが、森のことを真に理解しているとは言えない。だからここ飛騨高山では、木工だけでなく森についても学ばせてもらっている。木工、林業、森林環境教育、木育など、その道のプロフェッショナルとも言える人たちと関わることが出来て自分は幸せだと思う。そして嬉しいことに、森や木が好きな人に、悪い人はそうそういない。

 

森林、林業、木工を軸に、何を学んで何を地元に持って帰れるか、あーでもないこーでもないと考える毎日である。最近はチェーンソーを使えるようになりたいと思っている。クヌギの1本でも伐って、ほだ木くらい作れるようにならなきゃね(福島県が、ほだ木の名産地だったのはあまり知られていない。そして原発事故以来その状況が一変してしまったことも)。

 

もうすぐ年末。8か月ぶりに帰る福島では何が起きているのだろう。何が変わったのだろう。何が変わらずに残っているだろう。帰るのが今から楽しみだ。手土産に、自分が下手くそながら作り上げている木箱を忘れずに持っていく。

 

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