もののaware

飛騨にありて福島を思う

退職してから変わったこと

前職を退職してから2週間が経ち、少しずつ自分の生活リズムが出来つつある。

新生活のドタバタもほぼ落ち着き、いくらか心にも余裕が出てきた。

今回は現時点で感じている心や体の変化をまとめてみた。

 

①睡眠の質が良くなった

前職のデスクワーク生活と比較して、モノづくりの生活はハードだ。基本的に立ちっぱなしの作業で、座るのは昼食時のみ。木工の世界ではこれが普通なのだが、運動不足でなまった体にはなかなか堪える。おかげで帰宅後、横になれば即、眠りに落ちる。そして朝まで目が覚めることはない。

思えば、前職時代はパソコンとにらめっこしてばかりで眼だけが疲れて体は疲れない生活だったため、はっきり言って眠りの質は悪かった。気持ちよく布団に入れる生活は最高だ。

 

②食事の量が増えた

体力を使う分、すぐに腹が減る。そして腹が減っては動けないし、集中力の乱れは製品の質を下げるだけでなく、ケガにもつながる。前職時代は最悪朝食を抜いても何とか仕事が出来たが、それはもう考えられない。朝からしっかりと食べ、昼の弁当も多めに作り、夕食が一番量が多くなる。

何より素晴らしいことは、何を食べても全て美味しく感じることだ。これに勝る幸せはない。

 

③同じ価値観を持つ仲間が増えた

人生のステージが進むにつれて、自分の周囲に価値観の近い人が増えていくことは、ブログでも何回か書いてきた(僕はこれを価値観のフィルタリングと呼んでいる)。工房にいる先輩方も同期も、年齢、出身、学歴、経歴、モノづくりをしたいと思うに至った理由も違うが、木でモノづくりをしてみたいという思いは共通している。そして、三者三様の視点が、多様なアイデアをもたらしてくれる気がしている。

モノづくりという夢を気兼ねなく語り合える人たちに囲まれて、精神的に満ち足りている。修行は厳しいが、工房に行くのは毎朝楽しみだ。

 

僕は、前職に就いたことを失敗だったとは思っていない。得られるものはたくさんあった。しかし、木工という道に舵を切ったことも後悔していない。

精神的にも肉体的にも充足している今、人生の中で感じる「本当の豊かさ」とはこういうことなのではないかと感じている。もっともっとたくさんの未知の世界に飛び込んで、自分の価値観を磨き上げていきたい。

飛騨高山の春は始まったばかりだ。