もののaware

飛騨にありて福島を思う

地域おこし協力隊という選択肢

木工で地域おこしができれば、こんなに良いことは無いと常々思っている。

さいころの夢は、地元石川町の商店街の活性化だった。小学生のころに知った「シャッター通り」という言葉は衝撃だった。自分の生まれ育った地域が寂れていくのは悲しかった。

 

一方で、モノづくりの力が人にパワーを与えるシーンを、いくつも見聞きしてきた。モノづくりのどこにそんな力があるのか、モノづくりの何がそうさせるのか、はっきりと言語化することは難しい。

それでも何となく、手間暇かけるモノづくりの価値は、これからの社会の中で少しずつ見直されていくのではないかと期待している。今は、木工の技術を身に着けていくのと並行して、それを地域社会にどのような形で還元できるかを常々考えている。

 

その中でも、最近よく考えているのが、地域おこし協力隊としてアプローチする方法だ。

 

平成21年から始まった地域おこし協力隊制度も、少しずつ認知されるようになり、地域としても協力隊を受け入れる土壌が少しずつ出来つつあるのかと思っている(実態はまだまだ、だと思うけれど)。

 

実際に、木工技術を用いて地域おこし協力隊として活躍されている方はたくさんいる。いずれのケースも確かな技術とビジョンを持っているからこそ成し遂げられている。

 

 ただ、地域おこし協力隊という働き方を考えるとき、いつも思うことが、「地域おこし協力隊制度の行きつく先はどこなのか」ということ。

 

地域おこし協力隊制度の概要を総務省の資料から抜粋すると、

都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし協力隊員」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組

 

つまり、都市部の人口を地方へ分散し、地域活性化を行いながら最終的にはそこに定着してもらおうというものだ。

 

しかし、条件不利地域は生活する上での条件が不利なのだから、人口が流出していくのである。

行政「だから、収入も住む場所も車も3年間保証するから、条件改善のためにチャレンジしてみてよ!」

というわけなのだが、条件不利とは働き口の有無だけではない。幼稚園は?小中学校は?高校は?もしものときの医療機関は?

定住・定着とは、その人1世代だけの話ではない。都市部から呼び込んだ人口が次の世代を育んでいけるかどうかが、その地域社会の存続に深く関わってくる。

 

地域おこし協力隊制度は、都市部の人材を地方に向かわせるきっかけとしては充分画期的だと思う。しかし、新たな産業を生み出すこと、伝統技能を受け継ぐことだけで地方の存続が可能かというとそうではないと思う。

 

つまるところ、その自治体が、都市部の人口を受け入れて定着してもらうのに充分な土壌を作っているかどうかがカギだ。医療機関教育機関の整備は必須である。これが、僕が地方移住について考えるとき、いつも真っ先に思うことなのである。

 

地域おこし協力隊制度についてはもっと勉強して理解を深めていきたいと思っている。

(文句ばかりになってしまいましたが、それでも結構前向きに考えている選択肢なので、現在は福島県の地域おこし協力隊の活動状況を覗く日々を送っています・・・)

 

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