もののaware

飛騨にありて福島を思う

夏の夕日と漬物

5月上旬に植えた野菜のうち、キュウリとナスが収穫できるようになった。

 

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キュウリは採るのが遅かった…



生まれも育ちの田舎のくせして野菜を育てたことがほとんど無かった自分でも、今のところ病虫害にかかることもなく、無農薬で何とかできてしまった。釣りのときと同じくビギナーズラックだろうか。

 

キュウリは漬物、ナスは揚げ浸し、これが一番うまい食べ方だと思っている。夏が終わるまで、食卓と弁当を彩ってもらおう。

 

特に漬物にはこだわりたい理由がある。

中学時代、野球部の顧問だった先生が、学校の小さな畑で夏野菜を育てていた。今僕がシェアハウスで植えているものと全く同じ、キュウリ、ナス、シシトウ。練習が終わり、日が傾き始めたころ、校庭の片隅にある藤棚に部員を集め、お手製の漬物をふるまうのが夏場の風物詩だった。

 

あれは糠漬けだったか味噌漬けだったか、じっくりタレに漬け込まれ、塩気の効いた漬物は練習後の体にとってこの上ないくらい染み渡った。ただし、シシトウの3つに1つくらいは「当たり」になっており、それを引いた部員は辛さで100m走り回る・・・というのは言い過ぎだが、たまに混じる激辛シシトウを誰が引くかというロシアンルーレットも含め、先生のお手製漬物は強烈に印象に残っている。

 

今のところ、人生で一番おいしい漬物なので、なんとかあの味を再現したいと思っているのだが、これが難航している。そういえば中学時代も、母親と試行錯誤しながら家で作ってみたが、同じ味にはならなかったっけな。

 

風の噂によると、その先生はとうとう校長先生にまで上り詰めたらしい。授業中おやじギャグを連発し一人でズッコケていた社会科教師が校長か、楽しい学校であることは想像に難くない(今どきの中学生とのジェネレーションギャップを感じていないか心配にもなるが・・・)。

 

校長になった今でも、漬物をまだ作り続けているだろうか。機会があれば、改めてレシピを伺いたいものだ。シェアハウスで育てているシシトウが一向に花をつけない理由も、先生なら分かるかもしれない。

僕も早く「当たり」入りの漬物を作りたい。

 

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