もののaware

飛騨にありて福島を思う

ジェネラリストよりスペシャリスト寄り

スペシャリストが特定の分野に精通した専門家であるのに対し、ジェネラリストとは広範な知識や経験を持つ人物のことを指す。3つの分野がある場合、それぞれの分野に対する理解の比重はスペシャリストなら「8:1:1」、ジェネラリストなら「3:3:4」といった具合だろう。

ざっくり言えば「狭く深く」か「広く浅く」ということになる。ただし実際にはこのような極端な2種類には分けられず、この2つの円が混じり合う部分も当然存在するだろう。

 

僕の人生で言えば、前職時代はジェネラリストだった。そして僕にはジェネラリストとしての生き方は合わなかった。

2年から3年単位で人事異動が行われ、多くの場合、分野の全く違う部署で全く未経験の仕事を担当することになる世界。幅広い分野で社会に貢献できる一方で、特定の部署の専門性を高めるには移動のスパンが早すぎた。広くはあるが、かなり浅くしか経験できずに終わる世界に映ってしまった。

 

個人的には、一つの確固たる得意分野を持ち、そこから派生して守備範囲を広げる生き方を目指したいと思っている。ただし、極端なスペシャリストは目指さない。「木工×α」をモットーにする僕は、冒頭の比率で言うなら「7:2:1」くらいで、木工が7割、αが3割だ。

複数のことを極めるのに、人生という時間はあまりに短い。だったら何か一つに絞って専門性を高めていきたい。

それに、一人で広範な分野を抱え込む必要はない。それぞれの得意分野を活かし、何人かと助け合って仕事をすることだってできる。「7:2:1」の人間が何人も集まって、知識と経験をシェアできれば、新しい視点が生まれるかもしれない。それにそんな機会があれば純粋に面白そうだ。大小さまざまな得意分野の円が、重なれば重なるほど面白い。

 

もちろん、「8:1:1」や「3:3:4」な人がいたって構わない。価値観や重きの置き方は人それぞれだ。誰と関わるにしても、自分の専門は木工ですと、胸を張って得意分野の円を差し出せる人間になりたい。いつの時代も、餅は餅屋だ。