もののaware

飛騨にありて福島を思う

木工×α

目指しているのは、純粋な木工職人ではなく、「木工×α」でたくさんの分野に関わる職人だ。

 

自分の中にあった職人像といえば、無口で頑固一徹な孤高の存在。

完全な偏見だが、そういう職人の家庭で育ったのだから仕方ない。

 

しかし、世の中には伝統を守りつつ、持ちうる技術を現代版にアップデートして社会に新たな価値を生み出している人々がたくさんいる。彼らは職人の枠を超えたクリエイターとも呼べる。

 

そういった人々は、得てして多様な分野の人々とネットワークを持っていて、それぞれの得意分野を活かして地域社会を盛り上げるようなコミュニティを築いている。一人の力では解決できない課題も、タテヨコナナメのつながりで補いあえる。その共助の中で、今まで思いつきもしなかった新しいアイデアが生まれてくる。

 

震災以降、人間関係の希薄さが取り沙汰される世の中で、多様な分野のスペシャリストがつながりを持って、それぞれの強みを発揮して社会貢献をする集団は、よりいっそう存在感を増していくだろう。

 

私は、モノづくりの力、特に木材という循環資源を用いたモノづくりが、社会にどれだけ貢献できるか、その可能性を探っていきたいと思っている。木工の伸びしろに気づくために、これからたくさんの人やコミュニティとの関わり合いを増やしていきたい。

 

「木工×α」の「α」との出会いがいつ訪れるかはわからない。一期一会に備えまずは自分の「木工」を磨き上げておくことだけは怠ってはならない。